学長のメッセージ 〜インタビュー〜 ……… 3
環境憲章 ……… 5
環境保全のための組織体制 ……… 6
トピックス 「環境報告書を読む会」 ……… 7
東日本大震災に関する対応について ……… 8
持続可能な社会のための環境学生会議第3回 ……… 9
神戸大学環境シンポジウム2010 ………10
環境に関する教育研究 ESD サブコースの取り組み ………12
「環境にやさしい」をどう判断するか ………14
多自然川づくりのための水工学研究 ………15
削減対象温室効果ガス一酸化二窒素の常時観測ステーション開設 ………16
有害紫外線量のリアルタイムデータのインターネット発信 ………18
神戸大学の環境パフォーマンス 環境マネジメント ………19
省エネルギー・温暖化防止 環境目標 ………25
マテリアルフロー ………25
電気使用量 ………28
ガス使用量 ………29
重油使用量 ………30
省資源 市水・雑用水 市水 ………31
雑用水 ………32
一般廃棄物等 ………33
事務用紙 ………34
有害物質の管理および対応 実験排水・土壌検査について ………35
PRTR への対応 ………36
神戸大学における廃液処理 ………36
医療廃棄物 ………37
PCB 廃棄物への対応 ………38
アスベストへの対応 ………38
グリーン購入・調達の状況 ………39
関係組織の活動 神戸大学生協の環境活動の概要 ………40
セブンイレブン神戸大学店の環境活動の概要 ………42
環境管理センターの活動 環境学入門 ………44
環境管理ガイドブック ………45
環境に関する講演会 ………46
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この環境報告書は、本学の主要なキャンパスにおける平成22年 ( 2010 ) 4月から平成23年 ( 2011 ) 3月ま での1年間の環境に関する活動の成果を取りまとめ、「神戸大学環境報告書2011」として公表するものです。
本学の環境報告書は、主に、本学の構成員である学生および教職員を対象とし、学内および学外の環境コミュ ニケーションを促進することを目的としています。本学で行った教育、研究およびトピックスを紹介するとともに、 環境パフォーマンスとして、環境マネジメントを推進するための取り組み等を掲載しています。
また、「環境報告書を読む会」を開催し、そこで得た意見を含め、今回の環境報告書では、次の点を改善しまし た。
( 1 ) 学長メッセージを分かりやすく対話形式で記載 ( 2 ) 環境パフォーマンスについて目標と達成度合を記載 ( 3 ) キャンパスごとの特徴を環境パフォーマンスに記載
編集方針
■
環境報告書の作成に当たって
「環境報告ガイドライン ( 2007年版 )」 ( 平成19年6月環境省発行 )
「環境報告書の記載事項等の手引き ( 第2版 )」 ( 平成19年11月環境省発行 )
●
参考にしたガイドライン
平成22年度 ( 2010年4月~2011年3月 )
●
事業年度
平成23年9月30日
●
発行日
六甲台地区六甲台第1キャンパス
六甲台第2キャンパス
鶴甲第1キャンパス 鶴甲第2キャンパス 楠地区
名谷地区 深江地区
主な部局:法学部、経済学部、経営学部、法学研究科、経済学研究科、 経営学研究科、国際協力研究科
主な部局:事務局、文学部、理学部、農学部、工学部、人文学研究科、 理学研究科、工学研究科、農学研究科
( 主な部局:国際文化学部、国際文化学研究科、大学教育推進機構 ) ( 主な部局:発達科学部、人間発達環境学研究科 )
( 主な部局:医学部、医学研究科、附属病院 ) ( 主な部局:医学部保健学科、保健学研究科 ) ( 主な部局:海事科学部、海事科学研究科 )
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調査対象範囲
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環境・施設マネジメント委員会 ( 委員長:総務・施設担当理事 下林 正実 ) 環境マネジメント部会 ( 部会長:総務・施設担当理事 下林 正実 )
環境レポーティングワーキンググループ ( 座長:経営学研究科教授 國部 克彦 )
●
作成部署
神戸大学施設部施設企画課施設企画グループ 〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1ー1 TEL:078-803-5173
E- mail:shis-sou m [email protected]
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お問い合わせ先
http://w w w.kobe-u.ac.jp/report/environ mental/2011/
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URL
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福田秀樹神戸大学長の環境への思いを聞くため、環境レポーティングWG の國部克彦座長(経営学研究科教 授)がインタビューを行いました。
( 國部座長 )
本日は、神戸大学の環境活動についての、学長のお考えをいろいろお伺いしたいと思います。神戸大学では、平 成18年度に環境憲章を制定しましたが、この項目に沿って、お話を伺えればと思います。
まず、環境憲章では「1.環境意識の高い人材の育成と支援」を謳っています。この点について、お考えをお聞か せください。
( 福田学長 )
環境意識の高い人材育成は普遍的なものと考えています。C O2削 減や震災のダメージで節電も待ったなしに実施しなければならない 状況にありますが、これらの突発的な状況とは別に、日常的に絶え ず地 球環境を意識し、維持していく、次の世代の方を育てていくこ とが重要です。環境の分野は非常に幅広いもので、広い視野を持っ ていただくため、文理融合型の環境の授業科目として整理するなど、 所属する研究科だけでなく、複数の研究科を横断して授業が受けら れる支援体制も考えたいと思います。
( 國部座長 )
総合大学としての神戸大学の特長を生かすことは確かに大変重要ですね。これとも密接に関係しますが、環境 憲章の2番目の「2.地球環境を維持し創造するための研究の促進」については、いかがお考えでしょうか。
( 福田学長 )
最近は、単独の学問分野だけで、実用化されるものはほとんどあ りません。環境に関する分野でも同じことが言えます。例えば、太陽 光発電設備についても、フィルム、シリコン、電気化学、それらを加 工する技術等、自然科学系だけでもたくさんの学問領域になります。 また、それぞれの部品は日本のメーカーのものも多く、日本の技術 は決して世界に比べて劣っているわけではありません。しかし、それ らを融合して総合的にまとめ上げないと実用化はされない。環境と いうテーマはまさしくこれに当たります。神戸大学は総合大学として、 その力があると感じています。ポートアイランドの統合研究拠点を設 置したのはそのためです。自然 科学系だけでなく、社会科学系、生 命・医学系、人文・人間科学系を含めた研究融合を促進し、環境に 関する個別分野だけでなく、融合した研究成果を世界に発信したい と考えています。
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要で、神戸大学の真価が問われると思います。
環境憲章の最後の項目では「3.率先垂範としての環境保全活動の推 進」を謳っています。この点については、 「環境マネジメントを推進するための基本方針」も策定していますので、この点も含めて、神戸大学の環境保全活 動について、どのようにお考えでしょうか。
( 福田学長 )
環境保全の推進は、意識的な問題がやはり大きいと思います。
「3R 活動の推進」は、構成員である学生、教員、職員の意識と努力が求められます。リデュース、リユースは特 に努力が必要で、ごみを出さないような工夫や、物品のリユースは一部ではすでに行っていますが、構成員の努力 なしにはできないことです。リサイクルも、もちろん重要ですが、一番大事なのは、リデュースです。
また「CO2削減量 15%OFF への取り組み」については、本学は、第2期中期計画期間中(平成27年度まで)に 「CO2排出量を 15% 削減する」という目標を掲げています。この取り組みについては、現状では、やっぱりエアコ ンの影響が大きい。電力起因のCO2排出量を削減するために、費用のかかる話ですが、古いエアコンを計画的に高 効率タイプに更新していく必要があります。
消費電力の大きいこれらの設備は、補助金等で実施する耐震補強工事に合わせて機能改修工事を行うなど、後 で工事費が無駄にならないような計画で更新を進めています。しかし、設備投資だけでは 15% 削減の目標は達成 できません。例えば、日々の設定温度を調整する。使用時間を工夫する。大きな教室に一人ですべての照明を点け ている場合がありますが、本当に必要な部分だけを点灯するなど、構成員の意識向上が最も大切です。そして、私 には気付かないような新しいアイデアがあるはずです。3R 活動やCO2排出量の削減に対して、特に学生からの斬 新なアイデアがほしいですね。
( 國部座長 )
そのためには、環境保全活動は PDCA サイクルが重要です。方針のひとつである「環境マネジメントサイクルの 実施と継続」をどのように進めていくのかが鍵になると思います。
( 福田学長 )
3Rや省エネ活動を中心とした取り組みについては、個々の計画や啓発活動が実施され、その結果は、抜き打ち で現状視察を行う環境キャラバンやエネルギー使用量から検証していますし、学内に発表しています。総括すると、 PLAN、DO、CHECK までは進んできているものの、ACTION がほとんど無いのが現状です。検証結果に対する改善策 の実施や計画見直しにこれから力を入れていきます。
( 國部座長 )
ありがとうございました。最後に福田学長 から 本学の構成員に対して、メッセージを頂ければと思 います。
( 福田学長 )
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環境憲章
神戸大学は、世界最高水準の研究教育拠点として、大学における全ての活動を通じて現代の最重要課題である 地球環境の保全と持続可能な社会の創造に全力で取り組みます。
私たちは、山と海に囲まれた地域環境を活かして環境意識の高い人材を育成するとともに、国際都市神戸から 世界へ向けた学術的な情報発信を常に推進し、自らも環境保全に率先垂範することを通して、持続可能な社会と いう人類共通の目標を実現する道を築いていくことを約束します。
■
基本理念
大学の最大の使命は人材の育成にあります。
私たちは、地球環境や地域環境への影響を常に意識して行動する人材を養成するために教育プログラムを絶え ず改善し、人文・社会・自然科学の知見を統合して、環境に対して深い理解をもつ人間性豊かな人材を国際社会や 地域社会と連携して育成することに努めます。
■
基本方針
1. 環境意識の高い人材の育成と支援
地球環境を保全し、持続可能な社会を創造するためには、さまざまな課題を克服する研究成果の蓄積が必要で す。
私たちは、環境問題に関する個別分野の研究と関連分野を統合した学際的な研究の双方を推進し、その成果を 世界と地域に向けて発信することに努めます。
また、このような研究成果を国際社会と地域社会の発展に具体的に結びつける活動を支援します。
2. 地球環境を維持し創造するための研究の促進
地球環境を保全するためには、ひとりひとりの行動が大切です。
私たちは、日々の活動を通じて、環境を守り、エネルギーや資源を有効に活用し、有害物質の管理を徹底するこ とによって、環境に十分配慮したキャンパスライフを率先します。
さらに、環境保全活動の情報を開示し、関係者とのコミュニケーションを通じて、継続的な改善に努めます。
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本学における環境保全のための組織として、学長の下に環境・施設マネジメント委員会を設置し、環境管理セン ター、各学部・研究科等と連携しながら具体的な取り組みを行っています。
また、環境報告書は、環境・施設マネジメント委員会、環境マネジメント部会の下に教員および職員で構成する 環境レポーティングワーキンググループ ( WG ) を設置して作成しています。
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本学で作成している環境報告書を学内に広く知ってもらい、学生からの意見等を今後の環境報告書作成および 環境保全活動に反映させるため、「環境報告書を読む会」を平成23年6月2日、六甲台第1キャンパスフロンティ ア館3階プレゼンテーションホールで開催しました。
環境レポーティングWG 座長の國部克彦 ( 経営学研究科教授 ) の司会のもと、学生27名、下林正実 ( 総務・ 施設担当理事 ) 、島村健 ( 法学研究科准教授・環境マネジメント検討 WG 座長 ) 、梶並昭彦 ( 環境管理セン ター准教授・副センター長 ) を含めた教職員17名、生協職員1名による活発な意見交換が行われました。
主な意見は下記の通りです。
■ 環境に関する教育、研究、マネジメントについて
・環境に関する教育や研究の効果がもっと見える方がよい ・長期的で具体的な目標を定めるべき
・神戸大学として何を重要としているか表現してほしい
■ 今後の環境に関する活動について
・自動販売機を減らしてはどうか
・LED の導入や ESCO※ 事業の導入を検討してはどうか ・学生の意見を入れた環境報告書作りをしてはどうか ・自然に環境活動に繋がるような取り組みがほしい
これらの意見を環境報告書作成および環境保全活動に反映できるよう努力していきたいと思います。
( 関連URL )
http://w w w.kobe-u.ac.jp/info/database/report/environ mental.htm
※ESCO:Energy Service Co m panyの略。工場、オフィスビル、商業施設などに対して、エネルギー効率の改善策 を提案し、コスト削減効果を保証して削減したエネルギーコストから報酬を得る環境事業。
トピックス
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「環境報告書を読む会」
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この度の東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、被災地救援に全力を尽くされ ている関係者の方々に、深く敬意を表します。
神戸大学は、阪神・淡路大震災で多くの学生、職員を失うとともに、建造物などに甚大な被害を受けました。こ の時、全国からのご支援を得てさまざまな施策を行い、成功や失敗の試行錯誤を繰り返しながら復旧・復興を果 たしてきた経験を持っています。
この体験を思い起こし、短期的には生活物資の提供のほか、災害医療チームや放射線分析・復旧工事技術者、 学生ボランティアの派遣、さらには被災地学生や大型実験設備の受け入れなど、できるところから大学としての支 援を行っています。
本学の学生ボランティアにおいては「神戸大学学生311救援ネットワーク」を設立し、震災直後から募金活動や イベント開催など、さまざまな活動を行っています。
しかしながら、被害の甚大さを考慮すると、本震災の完全復興には長期にわたる支援や復興研究の取り組みが 必要です。
本学は阪神・淡路大震災直後に、中長期的な課題として安全・安心な社会の構築を目指す仕組みや手法の研究 を推進するため、「防災」と「減災」に立脚した「都市安全研究センター」を設置致しました。本センターで培って きた"知"や"経験"、人的なネットワークを生かし、総合的な復興計画への提言や実行支援を、全学プロジェクトに より推進していく予定です。
今後も、神戸大学として、可能な限りの救 済支援を行ってまいります。そして、被災された地 域の一日も早い復 旧・復興を願っております。
「東日本大震災に関する対応について」関連URL
http://w w w.kobe-u.ac.jp/info/topics/t2011_03_15_earthquake.htm
「神戸大学学生311救援ネットワーク」関連URL
http://blog.canpan.info/ku311net/ととも
■
東日本大震災に関する対応について
生活物資のトラック搬入 花巻空港内での医療活動
原子力工学専門教員による
放射線管理指導
神戸市消防局の福島第一原
子力発電所3号機放水冷却
作業における放射性物質汚
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平成22年12月11日 、「持続可能な社会のための環境学生会議第3回」が開催されました。この会議は平成20年 5月に神戸市で開催されたG8環境大臣会合の関連事業として『大学コンソーシアムひょうご神戸』が主催となり、 神戸大学が委員長校となっている社会連携委員会の事業として開催されており、“ひょうご”の大学生の環境に関 する取り組みを広く全国へ発信していくことを目指しています。過去2回神戸大学で行われていたこの会議も今回 は会場を神戸女学院大学に移して、同大学のエミリーブラウン記念館において行われました。会議当日は『大学コ ンソーシアムひょうご神戸』加盟の4大学と京都から参加の1大学による20団体のポスターセッションおよび口頭 での報告会に、学生、教職員、および一般の方々等110人が参加。本学の学生からは次のテーマで発表がありまし た。
「再度山永久植生保存区人為処理区における30年間の遷移動態」
「無酸素条件下培養による淡水藻類群からの Botryococcus braunii の選択的分離」 「樹林化した河道の流況観測と樹林内外の流況・樹木抗力の解析」
「 Sim ultaneous determination of a pyridine-triphenylborane anti-fouling agent and its degradation products using capillary zone electrophoresis 」
「イオンクロマトグラフィー ( IC ) による乾燥ワカメ中の陰イオンの定量」 「キャピラリーゾーン電気泳動法 ( CZE ) による血清中主要陰イオンの定量」 「海水中の亜硝酸及び硝酸イオンの高精度・高感度定量」
「野菜栽培におけるクラゲ上澄み液の有効利用法」
ポスターセッションではパネルの前での質問や説明が各所で行われ、報告会ではパワーポイントによる発表の 後、環境について活発に話し合われました。このような大学を越えた交流の場を持つことはお互いの良い刺激とな りました。
環境学生会議の役割は、さまざまな大学の単なる学生間の交流に留まるのではなく、こうした企画を加盟大学 の環境を中心とする教育プログラムへフィードバックすること、ボランティア精神の涵養および地域連携への意識 向上などの効果が今後も期待されるところにあります。
参加大学
・神戸大学 ・神戸女学院大学 ・兵庫県立大学 ・園田学園女子大学 ・立命館大学
トピックス
企画部社会連携課
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COP10 ( 生物多様性条約第10回締約国会議 ) の結果やCOP16 ( 気候変動枠組条約第16回締約国会議 ) の 展望などを踏まえ、地球環境問題に日本はどう取り組むべきか、学生を含めた大学の役割は何かを討議するため、 神戸大学環境シンポジウム2010「地球環境問題と日本の将来~研究と教育の課題~」を12月3日、神戸大学出光 佐三記念六甲台講堂で開催しました。
第1部「環境問題の研究を通して貢献する~学生によるディスカッション~」では、本学で環境に関して活躍し ている研究室やサークルなど、6グループの学生から、環境問題にどのように貢献できるかについて、研究や活動 内容の発表を行い、その後、コメンテータの竹中信幸工学研究科教授・環境管理センター長、梶並昭彦環境管理 センター准教授・副センター長、國部克彦経営学研究科教授を交えてディスカッションを行いました。会場内の学 生からも質疑があり、活発に議論されました。
「地球環境問題と日本の将来~研究と教育の課題~」
■「無理なくごみを減らせる社会づくり」
・ ごみじゃぱん 倉垣 裕介、村上 郁 ( 経済学部4年 ) ■「環境経営の展開」
・ 経営学部社会環境会計研究室 山向 里奈、粟飯原 匡宏 ( 経営学部3年 ) ■「家庭用ガス給湯器のエネルギー有効利用技術」
・ 工学研究科混相熱流体工学研究室 木本 健太 ( 工学研究科修士1年 ) ■「植生学で見る、神戸市ニュータウンの生物多様性」
・ 人間発達環境学研究科植生学研究室 前川 恵美子 ( 人間発達環境学研究科修士1年 ) ■「学生の環境啓発活動~ビオトープで見る生物多様性~」
・ 環境サークルエコロ 中坊 孝司 ( 理学部3年 )
■「生物多様性条約締約国会議 ( COP10 ) 及び カルタヘナ議定書締約国会合 ( COP-MOP5 ) の成果と
今後の課題」
・ 神戸大学多国間環境条約研究会 ( KURIM ) 藤井 麻衣 ( 国際協力研究科博士後期課程2年 )
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神戸大学環境シンポジウム 2010
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第2部「地球環境問題と日本の将来」では、基調講演1「地球環境問題と日本の進むべき道」として、高橋康夫 環境省地球環境局地球温暖化対策課長( 当時・現 環境省大臣官房政策評価広報課長 ) に地球環境問題の現状 や政策などについて、基調講演2「環境革新企業を目指すパナソニックのモノづくり」として、牧野正志パナソニッ ク株式会社取締役 ( 当時・現 パナソニック株式会社顧問 ) に日本を代表する企業である同社の環境に関する 取り組みについて、それぞれご講演いただきました。
続いて、パネルディスカッション「地球環境問題へ学術研究・教育はいかに貢献すべきか」では、本学の國部克 彦経営学研究科教授、梶並昭彦環境管理センター准教授が司会を務め、各研究分野から、竹中信幸工学研究科教 授・環境管理センター長、石川雅紀経済学研究科教授、ツェンコヴァ ルミアナ農学研究科教授に参加いただき、 基調講演のお二人を交えて、研究・教育がどのように地球環境問題に貢献できるかについて議論されました。
シンポジウムには200名を超える学生、教職員、一般の方が参加し、学内外に本学の環境に対する取り組みを広 く知ってもらう機会になりました。
基調講演1
高橋康夫 環境省地球環境局地球温暖化対策課長
パネルディスカッション
基調講演2
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ESD ( Education for Sustainable Develop ment =持続可能な開発のための教育 ) をテーマとするこのコー スは、文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム ( 現代GP ) 」 ( 2007年度~2009年度 ) の支援を 受けて、発達科学部・文学部・経済学部が学部横断の取り組みとして展開してきた。2011年度より農学部の参加を 得てカリキュラムを拡張し、4学部が協同し取り組みを進めている。
1987年のブルントラント委員会 ( 環境と開発に関する世界委員会 ) は、「将来世代のニーズを満たす能力を損 なうことなく、現在世代のニーズを満たすこと」と持続可能な開発( Sustainable Develop ment ) を定義した。そ して、2002年ヨハネスブルグサミット ( 持続可能な開発に関する世界首脳会議 ) において、「持続可能な開発を 促進するためには教育が決定的に重要である」として教育の重要性が示された。「環境」と「社会」と「経済」の調 和のとれた社会づくりを実現するには、自らの考えを持って、新しい社会秩序を作り上げていく、地球的な視野を 持つ市民の育成が求められる。このような経緯から、ESD が登場し、ESD の推進に向けて、日本政府の発案により、 2005年からの10年を「ESD の10年」として国連で決議され、世界各国で多様な取り組みが進められている。
ESD サブコースは、三つの大きな特徴を持っている。一つには、従来型の「環境教育」の拡張を目指し、ESD に 求められる課題の多様性に対応した汎領域的な視点でカリキュラムを企画している。文学部の「新しい倫理の形 成」、「リスクマネージメント・防災」、経済学部の「持続可能な経済活動」、農学部の「食農実践」、発達科学部の 「人間の変革可能性」など四つの学部の特色を生かした多様な領域からの学びを組み込んでいる。次に、学生が、 地域社会の個々の活動現場に出かけ、学外の人々と連携しながら実践活動への参画 ( アクション・リサーチ ) を通して、持続不可能な社会や仕組みの問題性あるいは解決の方向性を探究する。学外のフィールドに出かけ、 現場での学びやワークショップなど、参加・体験を重視している。そして、4年間で関連科目を含め14単位を取得す ることで、学生は卒業学位とは別に「ESD プラクティショナー」として認証を受けることができる。こうした特徴的 な仕組みのなかで、個別の専門知に偏らない複眼的な視点、実際の問題を解決する上で求められる組織・集団の 調整能力、および問題を解決する意志とスキルを持った人材の養成を目標としている。
汚染破壊
環境
持続可能
な開発
持続可能
な開発
資源問題
生産
経済
社会
貧困平和
消費 人権公平
人間発達環境学研究科 ESD コーディネーター 高尾 千秋
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図2 ESDサブコースのカリキュラム
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「環境にやさしい」。この言葉は、環境に配慮した商品や行動に対してよく使われています。キャッチフレーズ として使われていることも多いので、私たちが商品を買うときによく目にしているかもしれません。しかし、「環 境にやさしい」とは、一体何をもってそう言えるのでしょうか?環境に配慮したあらゆる行動が、本当に「環境 にやさしい」と言えるのでしょうか?これを判断する方法の一つが、ライフサイクルアセスメント ( LCA ) です。 発達科学部人間環境学科の 1 年生向けのオムニバス科目として「生活環境概論」がありますが、私はそのうち の一コマを担当して、LCA を用いた「環境にやさしい」商品や行動の判断の仕方を解説しています。ここで、 LCA について説明します。LCA とは、製品の一生 ( 資源の採掘から製造、使用、廃棄まで ) をライフサイク ルとして捉え、その中で排出される総合的な環境負荷を明らかにする手法です。例えば、ハイブリッド車はガソ リン車に比べて燃費に優れ、使用時の二酸化炭素 ( CO2 ) 排出量は少なくなります。しかし、ハイブリッド車 は電池製造の際に多くの CO2が排出されますので、製造時だけでみるとガソリン車の方が CO2排出量は少なくな ります。そのため、ライフサイクルの一断面のみを捉えてあれこれ判断するのは、妥当ではありません。これに 対し、LCA では、ライフサイクル全体で排出されるトータルの環境負荷を捉えます。これを利用することで、本 当に環境負荷の少ない ( 環境にやさしい ) ものは何かを考える際の判断材料とすることができるのです。 例えば、リターナブル容器と紙製使い捨て容器は、どちらが環境への影響が大きいでしょうか ( 図1 ) ? ある研究では、リターナブル瓶を5回再利用しただけでは、紙製使い捨て容器のほうが環境への影響が少ない との結果が出ています。講義では、飲料容器の事例のほか、地産地消は本当にいいのか、プラスチックはどの ようにリサイクルすべきかなど、LCA の研究事例を踏まえて解説しています。また、私が研究テーマとしている、 廃棄物処理政策や、再生可能エネルギーの導入政策に関する LCA の応用事例についても、フィールドワークに よる写真を見せながら紹介しています。
最後に、LCA の身近な事例として、近年、商品がライフサイクルで排出する CO2を LCA により数値化し、商 品にラベリングするカーボンフットプリント制度が国内外で実施されています ( 図2 ) 。皆さんも、商品を購入 する際に、このラベルを探してみてください。
人間発達環境学研究科 講師 田畑 智博
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「環境にやさしい」をどう判断するか
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近年の河川整備では、流れの制御や堰止め、堤防の防備をするために石礫・木材・植生などの透過性材料 を用いた「伝統工法」の構造物が多く採用されるようになってきた。写真1は、自然石で作られた農業井堰の 事例である。近代工法が導入される以前には各地で施工され、地域の自然と社会の風土・文化を反映し、時間 と経験を経て定着した技術である。その意味で伝統工法には自然・社会環境への高い順応性を期待できる。コ ンクリート・鋼など人工材料を用いた構造物 ( 写真2 ) よりも隙間と透水性を有するために流れを柔らかく制 御し、生物の生息空間を提供するなど生態系にやさしく周辺景観とも調和しやすい。反面、流れに対する耐荷力 はコンクリート構造物より小さく、出水後のメンテナンスが不可欠である。しかし、これはかつての地域におけ る恒例の共同作業であり、コミュニティーの結束力を維持する背景になっていた。このように伝統工法は自然・ 社会環境の両面で優れた機能を持つ。
往事の伝統工法は知識と経験に基づき、ベテラン技師達によって設計・施工されていた。しかし、伝統工法 がさかんであった戦国・江戸時代に比べて、現在は河川が高度に利用され、守るべき資産が集積している。こ のような状況では、伝統工法を単に復古主義的に導入するのではなく、流れの科学原理に基づいて構造物に作 用する流体力を正確に解析し、多自然川づくりのための最新技術に位置づけて研究開発に励む必要がある。写 真3は明石川の流れを制御するために自然石で建設された 11 基の水制 ( 突堤のようなもの ) である。平成 16 年の台風 23 号洪水でこの中の4基が壊れたが、図1のように損壊した水制 ( 図中の赤丸数字 ) には大きな流 体力が作用していることが流体解析でわかる。多自然川づくりに伝統工法をさらに応用するためには、自然材料 で構築され複雑な性状を持つ河川構造物に対しても適用できるような水工解析手法を開発する必要がある。私 たちは水圏環境に視点をおいた教育と研究活動を進めている。
環境に関する教育研究
工学研究科 教授 道奥 康治
写真1 自然石で作られた堰 写真2 人工材料で作られた堰 写真3 明石川の水制群
図1 明石川の①∼⑪番水制に作用した流体力 ( 縦軸 ) ( 赤は損壊、青は無事だった水制 )
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一酸化二窒素 ( N2O ) は、京都議定書で削減対象となった温室効果ガスです。温室効果ガスの観測データは、 世界気象機関の温室効果ガス世界資料センターが収集しています。図1はこのデータベースに登録されている過 去に N2O を観測した地点 ( 約 40 地点 ) で、赤丸は1年以内にデータが更新された地点です。この数は二酸 化炭素 ( CO2 ) ( 約 140 地点 ) に比べ圧倒的に少なく、人工衛星による観測も開始された CO2 やメタンに比 べると N2O の現状把握は立ち後れていると言えます。N2O の大気中濃度は CO2 の 1/1000 程度ですが、大気中 寿命が長く、またオゾン層破壊物質でもあります。常時監視と排出抑制・削減が望まれるものの N2O の観測 例が少ない理由として、優先度が低い、低濃度のため測定に手間がかかるなどが考えられます。
日本では、気象庁が 1976 年頃から岩手県綾里の標高 260 m地点で常時観測していますが、他は一時期の観測 がほとんどです。神戸大学大学院海事科学研究科の海洋・気象研究室では、前身である神戸商船大学当時から 大気-海洋間の熱・温室効果ガス交換について研究を行い、熱帯太平洋や日本沿岸で船舶による観測を実施し てきました。このノウハウを生かし、神戸大学深江キャンパスで、日本で2地点目、日本の都市部では初めてと なる大気中 N2O 濃度の常時観測ステーションを設置しました。
観測は 2009 年5月から開始し、当初は深江キャンパスの中央に位置する総合学術交流棟の実験室で行ってい ました。しかしこの実験室は仕切りで区画分けされた共用実験室で空調の制御ができず、空調の発停に伴う急 激な室温変動に対し明らかに濃度が影響を受けました。このため 2010 年3月に、5号館暗室に場所を移しました。 図2は5号館屋上に設置した大気採取口 ( 地上約 24m ) です。背景には阪神高速が見え、その下には国道 43 号線が通っています。図3は実験室内です。窓のない6畳程度の部屋で、急激な室温変化は起しにくく、室温 も同時計測しています。また深江キャンパスでは一般気象観測も常時測定しています。今後、気象データとも照 らし合わせながら、大気中 N2O 濃度の時間変動要因を解析し、また温室効果ガス世界資料センターにデータを 登録して広く利用を促進する予定です。
自然科学系先端融合研究環 内海域環境教育研究センター 准教授 林 美鶴
図1 温室効果ガス世界資料センターに登録されている N2O 観測地点
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図2 深江キャンパス5号館屋上に設置した大気採取口
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オゾン層破壊の元凶であるフロンはモントリオール議定書による方針に沿って間もなく成層圏から追放され、 オゾン層の破壊が止まり回復に向かうものと期待されている。破壊が止まる前のオゾン層は最もひどく破壊され ているため、オゾン層は今、史上最低レベルとなってしまった。南極オゾンホールの「切れ端」がやってくる南 米、北極オゾンホールの影響を受ける北欧、もともと紫外線被害が大きいオーストラリアをはじめ、世界中で有 害紫外線のモニタリングが取り組まれている。
人間発達環境学研究科は有害紫外線量を計測し、そのリアルタイムデータをインターネットで発信している。 研究科G棟屋上に紫外線A、紫外線 B および可視光全域の強度を絶対値測定するセンサーを設置しており、10 秒ごとに取得したデータを直ちに国立環境研究所に送り、日本中の他の観測点 16 地点のデータとともに UV イ ンデックス UVI に換算してインターネットで公開している。
【関連 URL】
http://db.cger.nies.go.jp/gem/ozon/uv/uv_index/kobe/index.html
有害紫外線量のリアルタイムデータをインターネットで発信しているのは兵庫県下では我々が唯一である。図 に示す 2011 年7月 10 日のデータには、UV インデックスに応じて帽子をかぶらなくても大丈夫 ( UVI < 3 ) 、 軽い帽子をお勧め ( 3 < UVI < 8 ) 、頭巾なみの防護が必要 ( 8 < UVI < 12 ) という対策の目安と説 明がついている。梅雨明けの時期や5月はとくに紫外線が強い時期でもあり、日常生活に活用してほしい。
UV インデックス以外にも紫外線強度、可視光強度の絶対値が提供でき、畜産関連の研究にも活用されている。 ご関心の方はご一報いただければ幸いである。
人間発達環境学研究科 教授 中川 和道
図1.2011 年7月 10 日人間発達環境学研究科G棟屋上で観測された UV インデックスの例.
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神戸大学は、平成22年度に第2期中期計画期間における環境マネジメント方針「環境マネジメントを推進するた めの基本方針」 ( 平成23年2月17日環境・施設マネジメント委員会承認 ) を策定し、積極的な取り組みを開始し ました。
環境マネジメントを推進するための基本方針
神戸大学の環境パフォーマンス
環境マネジメント
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環境マネジメントに関する方針
神戸大学では、環境マネジメントに関するさまざまな取り組みを行っています。今回の環境報告書では、その中 のいくつかをご紹介します。
●
見える化装置と運用改善のモデルケースづくり
六甲台第2キャンパスの自然科学系図書館に見える化装置を設置し、運用改善のモデルケースづくりを行いま した。
主な運用改善の取り組みは、開館前清掃作業時に点灯していた照明を必要箇所から順次点灯するようにしたこ とです。
■
環境マネジメントの取り組み
Ⅲ 環境マネジメントサイクルの実施と継続
本 環 境 マ ネ ジ メ ン ト 方 針 を 達 成 す る た め に 必 要 な 行 動 計 画 を 立 案
し、PDCAサイクルを確実に実施し、継続します。
Ⅱ CO2削減量15%OFFへの取り組み
全学のC O2排出量を平成16年度を基準とし、全学的取組により第2
期中期目標期間中に原単位で15%削減を目指します。
Ⅰ 3R活動の推進
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図1 照明スイッチの点灯方法
この見える化装置により、平日の電力使用量が約125 kWh 削減されることが分かりました。この結果、月間の電 気使用量は22年度比で約10%の削減となりました。
図2 運用改善の結果
今回の結果を全学的に公表していくとともに、同様の効果が得られる施設へ積極的に展開していきます。
●
LED、CCFL 照明のテスト設置
近年、省エネ効果の高い発光ダイオードを利用した LED ( Light Emission Diode ) 照明が話題となっていま す。同様に省エネ効果の高い液晶テレビ等のバックライトに使われている冷陰極管を利用した CCFL ( Cold Cathode Fluorescent La m p)照明も注目を浴びています。本学では、一部採用をしながら、その効果を検証し、全 学的導入の検討を進めています。
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図図3 LED照明、CCFL 照明取替場所
表1 取替前後の消費電力および照度の比較
LED 照明と CCFL照明を比較すると、省エネ効果としては、LED 照明の方が高かったのですが、取り替え場所の 平均照度は CCFL照明の方が高くなりました。また、LED 照明の平均照度は取り替え前より下がりました。